稲渕棚田

奈良県明日香村にある稲渕棚田は、日本の棚田百選に選ばれた美しい景観が広がる場所。300枚以上の水田と畑によって形成され、農村の原風景を強く残しています。春には黄色い菜の花、秋には赤い彼岸花が咲き、四季折々の花々が楽しめますよ。棚田の北側にある棚田展望台からは、稲渕棚田を一望することができます。平安時代から室町時代に開墾されたと言われる稲渕棚田。いにしえから受け継がれた美しい里山の景観に心揺さぶられること間違いなしです。

稲渕棚田では、自然豊かな景色を堪能しながら散策や写真撮影を楽しむことができます。春には蓮華や菜の花が咲き、蝶やアザミ、鳥の声など、明日香の春を思いっきり満喫しましょう！初夏には田植えを終えた初々しい水田の風景が見れますし、秋になると彼岸花がいっせいに咲き乱れ、可愛らしいかかしとの共演で私たちを楽しませてくれます。のんびりと歩くもよし、レンタル自転車でサイクリングするもよし。気持ちの良い風を感じながら、心ゆくまで楽しんでくださいね。

毎年9月頃から11月中旬には、稲渕棚田の通称「かかしロード」にたくさんのかかしが並びます。かかしは、その年のテーマに沿って一般から募集したもの。「世界平和」や「マスクの似合う案山子」など、その時々の時勢に合わせてテーマが決まります。どれも、なるべく自然に優しい素材で作られた、愛嬌たっぷりのかかしたち。9月下旬に開催される彼岸花まつりで入賞作品が決まり、入賞者には稲渕棚田米の新米が贈られるんですよ。ぜひ、お気に入りのかかしを探してみてくださいね。

明日香村の棚田といえば稲渕の棚田が有名ですが、村内にはほかに3つの棚田があります。稲渕の棚田に隣接する「阪田の棚田」では、眼下に集落を、遠くに二上山を望む絶景が楽しめますよ。また、棚田と夕陽の共演が見事な「細川の棚田」と「上（かむら）の棚田」からも、それぞれに心癒される美しい風景が望めます。明日香村の棚田は、地元の方々や棚田オーナーの皆さんの努力によって受け継がれ守られています。ぜひ、時間や空間を超えた人々との繋がりを感じながら、棚田巡りを楽しんでくださいね。

稲渕棚田周辺には、高松塚古墳や石舞台古墳などの史跡があり、歴史的な観光スポットとしても人気があります。稲渕棚田自体も中世（平安〜室町時代）に開墾された歴史的な場所。近鉄飛鳥駅前の観光案内所では、棚田と史跡を巡るおすすめルートを教えてもらうことができますよ。手荷物預かりサービスや周遊バスのフリー切符販売、レンタル自転車の貸し出し案内もしているので、ぜひ利用してみてくださいね。